1)感染対策なんて当然なのでは?
一般の患者さんは、歯科医院の感染対策なんて当然と思っていることでしょう。しかし、10件以上の勤務医の経験から、一般の開業医で最も問題なのは、感染対策でした。これには理由があります。感染対策が不十分と分かっていても、今の診療報酬では、十分な対策をすることが経営上困難だからなのです。
2)平均的な歯科医院の感染対策の現状は?
ほとんどの歯科医院にオートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)と、超音波洗浄器、薬液滅菌(デントハイド)はあります。オートクレーブにすべての器具を入れる事ができれば問題ないのですが、130℃という高温に耐えられなかったり、すぐに傷んでしまうといった理由から、いわゆる基本セットや外科器具ぐらいしか滅菌はしていないのです。最近では、基本セットを滅菌パックに包んで感染対策をアピールするところもあります。しかし、それはデモンストレーションに過ぎません。そんなことをしなくても、基本セットは、どの歯科医院でも、滅菌されています。問題はそれ以外の歯科器具です。
3)私が感染対策を重視した理由は?
開業にあたって、私が最もこだわったものの一つが、感染対策です。それは、もし私がその歯科医院で患者になり、前の患者さんが病気を持っていたら、治療の内容によっては、感染する危険があると思ったからです。これは、私だけでなく、他の勤務医も同じ意見でした。すべての患者さんが、自分の病気を知っているわけではなく(例えばB型肝炎など)、あるいは、知っていても自己申告しない患者さんが実際にいるからです。
4)山王デンタルクリニックの現状は?
実際上、オートクレーブにかけられないすべての器具をエチレンオキサイトガス滅菌器か高温オイル消毒器にかけています。高温オイル消毒器にかけるのは、歯を切削するハンドピースというものと、水や風が出るスリウェーシリンジというものです。その他の、ファイル(歯の根っこの治療に使用)やバー(ハンドピースの先につけて歯を削るもの)、バキュームチップ(患者さんの口の中の水を吸うもの)などをエチレンオキサイト滅菌器にかけています。もちろん、患者さん一人ごとに滅菌するのです。例えば、ハンドピースを患者さん毎に滅菌している歯科医院は、50軒に1軒程度と思います。それぐらいコストがかかるのです。
5)実際の写真をお見せします
オートクレーブ
オートクレーブです。130度の高温高圧によりすべての細菌・ウィルスを完全に死滅させます。欠点は、すべての器具に使用できないことです。130度の高温に耐えうる器具に使用します。
エチレンオキサイトガスを注入エチレンオキサイトガスを40度で10時間
エチレンオキサイトガス滅菌器です。オートクレーブと同じく、すべての細菌・ウィルスを完全に死滅させます。オートクレーブと違い、器具をいためないので、すべての器具に使用できます。しかし、殺菌に10時間ほどかかるため、1日に1度しか使用できません。オートクレーブにかけられない器具を、これで殺菌します。この滅菌器は、大学病院などごく限られた歯科医院にしか有りません。当院の感染対策の誇りの一つです。
この滅菌器を使用するには、国家資格が必要です。
エチレンオキサイトガスは特定化学物質
(エチレンオキサイトガス滅菌器を使用する免許証)
この滅菌器を使用するには、国家資格が必要です。
エチレンオキサイトガスは特定化学物質
(エチレンオキサイトガス滅菌器を使用する免許証)
高温オイル消毒器でハンドピースを滅菌している
高温オイル消毒器です。タービンハンドピースとスリーウェイシリンジを滅菌します。110度による滅菌なので、オートクレーブほど器具をいためません。これにより、患者さん一人ひとりに、ハンドピースの滅菌ができるようになりました。ハンドピースは1本10万円以上し、ランニングコストがかかりますが、これからも続けて行きます。このシステムを導入している開業医は本当に僅かしかありません。当院の感染対策の誇りです。
超音波洗浄器薬液滅菌・デントハイド、グルタルアルデヒド殺菌灯付キャビネット
その他の消毒器具です。どこの歯科医院にもあります。超音波洗浄器、薬液滅菌(デントハイド)、殺菌灯付キャビネットです。
以上が、当院の感染対策です。感染対策は、患者さんには見えないところだけに、手を抜いてしまいやすいところです。でも、本当はとても大切なところです。当院の感染対策は、開業医日本一と自負しています。どうぞ、安心して当院にお越しください。
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