それでは本題の歯周病について見ていきましょう。
歯科の研修医の先生はすでにお分かりのように、主な症状は、歯肉が腫れて血や膿が出るが痛くない、口臭がする、歯がやせて歯が長くなったように見える、歯が動く、物がはさまりやすい、口の中がいつもねばついた感じがする、冷たい水や温かい水を口にふくむとしみる、歯が浮いて物がかめない、というような症状が出てくるわけです。この中で特に痛くないというのがポイントです。炎症がありながら痛くない。そのため放置されてしまうという訳です。
これは健康な状態から歯周病への進行を示したものです。健康な状態の口は、歯肉がピンク色をしていますね。ピンク色をして、しっかりしているのが分かるかと思います。それが歯肉炎になると、歯肉辺縁に炎症を認めます。ただ、この段階では歯を支えている骨(歯槽骨)は吸収されていません。これが歯周炎になると、歯を支える歯槽骨の吸収がどんどん進むことになります。進行度によって軽度、中等度、重度と分けることができ、ほとんど表面的に炎症がないのにもかかわらず、だんだん歯槽骨が吸収されていきます。これが歯周炎です。
歯周病(超音波スケーラー)と一言で言っても、歯肉炎と歯周炎に分けることができます。日本だけでなく、世界的においても歯を失う原因は歯周病と言われていますので、医科の先生は全身を診る上で歯周病の症状、口の中をぜひ見てください。口の状態もしっかり把握していただきたいと思います。
■治療の対象となる歯周炎の割合
歯周病の罹患率を、平成23年歯科疾患実態調査の結果から持ってきました。所見のないものと、対象の歯がすでにない方を除いた部分が、歯周病の割合です。これが70.8%となります。すなわち、日本国民の約7割の人に何らかの歯周病の症状が認められるという、大きな根拠となるものです。
ただ、この中で歯石の沈着や少ししか炎症がないといった軽度の歯周病を除いた中等度から重度の歯周炎だけを見ますと、29.8%です。ですから、日本でしっかりとした治療が必要な対象は、この約30%ということになります。
30%というのは世界的に見て多いのか、少ないのか分かりますか。米国の歯周病学会から発表されたデータによると、軽度から重度の歯周炎の罹患率が47.2%。さらに、中等度と重度にしぼると38.5%となります。誤差を含めて、ほぼ日本と同じような数値ではないかと考えられます。世界的にみても30%ぐらいが中等度から重度の歯周炎、つまり治療の対象となる歯周炎であると考えられているのです(続く)(歯科機器)。



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